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Museu Casteller de Catalunya(カタルーニャ・カステリェー博物館)
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Section 2 (Tarragona – Lleida), Tarragona

Museu Casteller de Catalunya(カタルーニャ・カステリェー博物館)

カステイの歴史から文化、構造・技術まで立体的に紹介する博物館

バイス旧市街の中心部、プラサ・デル・ブラットに位置するカタルーニャ・カステリェー博物館(Museu Casteller de Catalunya)は、カタルーニャ独自の伝統文化であるカステイ(Castell=人間の塔)を、体験的に学ぶことができる博物館です。2022年に開館した比較的新しい施設で、カステイの歴史や精神性だけでなく、その構造や技術、地域社会との関係性までを立体的に紹介しています。

カステイは、複数の人間が積み重なって塔を形成するパフォーマンスで、力や勇敢さだけでなく、協調性や信頼関係が強く求められる文化です。その歴史は18世紀後半にまで遡り、現在ではカタルーニャ各地の町や地区ごとに「コーリャ(Colla)」と呼ばれるチームが組織されています。祭礼や祝祭の場では、複数のコーリャが集まり、それぞれが人間の塔を披露します。参加者は町ごとに異なる色のシャツを着用し、その色彩が広場を埋め尽くす光景は、カステイ文化の特徴のひとつです。

これらの祭りは単発のパフォーマンスではなく、地域社会が一体となって準備・運営する行事として位置づけられており、規模の大きな祭礼では多数のチームが参加します。博物館の展示は、こうした祝祭の場で実際に行われているカステイを理解するための役割を担っています。この博物館では、単なる民俗芸能としてではなく、社会的・技術的な営みとしてカステイを捉えている点が特徴です。展示は映像、模型、実物資料を組み合わせた構成で、初めて触れる人でも全体像を理解しやすいよう工夫されています。

館内のハイライトのひとつが塔の基礎部分となる「ピニャ」と呼ばれる人の集合体に関する紹介です。展示では重量分散や安定性といった技術的な観点からの解説が行われており、一部の展示は自ら体験できるものになっています。こうした展示を通して見えてくるのは、カステイが単なる身体能力の競技ではなく、緻密な設計思想と共同体の協力によって成立している文化であるという点です。年齢や性別を問わず、多様な人々がそれぞれの役割を担うことで初めて完成するという仕組みは、カタルーニャ社会の価値観を象徴するものとも言えるでしょう。

博物館が立地するバイスは、カステイ文化の中心地のひとつとして知られています。広場を核に町が形成されてきたこのエリアでは、実際のカステイの披露も行われてきました。博物館の展示と旧市街の空間をあわせて体験することで、伝統文化が日常の中で育まれてきた背景をより具体的に理解することができるはずです。

アクセス面でも、バイスはタラゴナと内陸部を結ぶルート上にあり、都市間移動の途中に立ち寄りやすい立地です。市街地には駐車場が整備されており、徒歩で旧市街と博物館を巡る動線も明確です。宗教建築や自然風景とは異なる切り口で、カタルーニャの文化を深く知るための立ち寄り地として組み込みやすい存在です。冬に訪れるならこの地域の名物料理カルソッツ(calçots)も味わってみることで、味覚からもこの地の文化に触れることができます。カルソッツを提供するレストランのマシア・フォンツカルデス(Restaurant Masia Fontscaldes)も車で15分ほどの距離にあります。

カタルーニャ・カステリェー博物館(Museu Casteller de Catalunya) は地域文化を理解するための学習拠点です。ロードトリップの途中にこうした文化施設を挟むことで、風景だけでは見えてこないカタルーニャの内側に触れることができるはずです。

Location / Address

Museu Casteller de Catalunya
Plaça del Blat, 5
43800 Valls (Alt Camp), Tarragona

photo: ©plusroadtrip

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