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Cal Tampanada(カル・タンパナーダ)
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Lleida, Section 3 (Lleida – La Seu d’Urgell)

Cal Tampanada(カル・タンパナーダ)

ピカソが滞在したゴスルの小さな宿跡

ピレネー山脈のふもとに位置するゴスル(Gósol)の村は、ペドラフォルカの雄大な姿を背にした小さな山村です。その一角にあるカル・タンパナーダは、20世紀初頭に画家パブロ・ピカソが長期滞在した宿。現在は営業を終えており、内部に入ることはできませんが、外観は当時の姿をほぼそのまま残しており、芸術家が過ごした日々を想像しながら眺めることができます。

白壁の素朴な建物は、石造りの家々が並ぶ村の風景に自然に溶け込み、ピカソが滞在したという2階の窓からは村人が集う水飲み場を望むことができます。ピカソはこの窓からの眺めを毎日のように目にし、スケッチや創作活動に没頭したと伝えられています。村に漂う静けさや、ペドラフォルカを代表する周囲の山の迫力ある景色は、彼にインスピレーションを与える大きな要素となったのでしょう。実際、ゴスル滞在中に描かれた作品には、山岳風景や村の生活を感じさせる要素が表れています。

現在、カル・タンパナーダは観光施設として整備されてはいませんが、ゴスルを訪れる人々にとって重要な歴史の痕跡です。館内に入れないからこそ、外から建物を眺め、ピカソが立っていたであろう場所に自分を重ねる体験は特別なものになります。ゴスル散策の途中でこの宿跡に立ち寄ると、芸術家の視点を追体験できるかもしれません。

アクセスは北側からならC-563号線のジョーサ峠、南側からならB-400号線を利用してゴスルの村に入ります。眺望の良いワインディングロードなので、周辺の山岳景観とあわせて訪れると充実したドライブ体験ができます。ゴソルの村自体はとてもこぢんまりとしており、石畳の道を歩きながら教会や小さな広場を巡るだけでも中世の面影を感じることができます。観光地化されすぎていないため、静かな雰囲気を好む旅行者には特におすすめです。

Location / Address

Cal Tampanada
Carrer de la Font, s/n
25716 Gósol (Berguedà), Lleida

photo:©plusroadtrip