アラン谷を旅する拠点として最適な14〜15世紀の建築様式が息づく国営ホテル
カタルーニャ北部のピレネー山脈に広がるアラン谷（Val d’Aran）は、スペインとフランスの国境近くに位置し、豊かな自然と独自の文化が息づく地域としてしられています。その中心地であるビエーリャ（Vielha）からC-28号線で10分ほど走ったところにあるアルティエス（Arties）に建つのが、国営ホテル・パラドール・アルティエス（Parador d’Arties）です。中世の建築様式を今に伝えるこのホテルは、地域の伝統と快適な滞在を両立した宿泊施設として人気を集めています。
パラドール（Parador）とは、スペイン各地に展開する国営ホテルネットワークの総称で、歴史的建造物や文化財をリノベーションし、その土地の魅力を体感できる宿泊体験を提供しています。パラドール・アルティエスもそのひとつで、14〜15世紀に建てられた伝統的なアラネーセ建築を基に再生されています。石造りの外壁、急勾配の屋根、木組みのファサードなどが特徴で、この地域特有の建築様式を現代的にアレンジしています。
ホテルの内装は木材を多用した温かみのあるデザインで、ロビーには薪ストーブが置かれ、山のホテルらしい落ち着いた雰囲気が漂います。客室はクラシックとモダンが融合した居心地の良い空間で、窓からはピレネーの山並みを望むことができます。館内にはレストランやバーもあり、レストランではアラン谷の郷土料理を味わうことができます。地元のハムやチーズ、山のハーブを使ったスープなど、素材の持ち味を生かした料理が並び、地域の食文化を深く体験できるのが魅力です。このほか、屋外プール、サウナ、フィットネスジムなどの設備も整い、季節を問わず快適に過ごすことができます。
ホテルは、ビエーリャ（Vielha）とバケイラ・ベレット（Baqueira Beret）の中間にあることから、冬はスキー、夏はハイキングや渓流釣りといったアウトドアアクティビティの拠点として最適な立地です。周辺にはロマネスク様式の教会や中世の町並みが残り、ゆっくりと散策を楽しむこともできます。車で少し足を延ばせば、ピレネーの自然公園や展望ルートも充実しており、ロードトリップの途中に数日滞在する旅程にもおすすめです。
伝統建築の美しさ、山岳リゾートとしての快適さ、そして地元の食文化が融合するこのホテルは、まさにアラン谷の魅力を凝縮した一軒です。ピレネーの自然に囲まれながら、静かで豊かな時間を過ごしたい方におすすめの宿泊先です。
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photo:©plusroadtrip
