淡いピンクの絨毯が春の訪れを告げる、美しい農村地域
リエイダ県セグリア郡に位置するアイトナ(Aitona)は、春になると一面が淡いピンク色に染まる桃の花畑で知られる農村です。例年2月下旬から3月中旬にかけて、約800ヘクタールに及ぶ果樹園の桃の花が一斉に咲き誇り、カタルーニャ内陸部における春の風物詩として多くの人々を引き寄せています。
この地域一帯は果樹栽培が盛んで、桃をはじめとする果物はアイトナの基幹産業を支えてきました。果樹が開花する春の期間は、農業のサイクルを視覚的に実感できる時期でもあり、単なる景観スポットにとどまらず、地域の暮らしと密接に結びついた風景に出会うことができます。
開花シーズンには、自治体や観光団体によってガイド付きツアーが実施されるほか、果樹園内をトラクターで巡るルートが設定されることもあります。畑の中に無秩序に立ち入るのではなく、管理された動線で見学できる点が特徴で、農業と観光の両立を意識した取り組みが行われているのも特徴です。期間中は花畑を背景にした撮影ポイントも設けられ、世界各国の訪問者で賑わいを見せています。
また、この時期には地元農産物の直売やカタルーニャ郷土料理を紹介するフードイベントが開催されることもあります。いずれも大規模なイベントではなく、農村の日常に根ざした取り組みである点が、アイトナらしさと言えるでしょう。
アイトナの景観は、山岳地帯や海岸線とは異なり、平坦な内陸農地が広がるのが特徴です。そのため、見学は徒歩だけでなく、クルマで周囲を巡りながらポイントごとに立ち寄るスタイルが適しています。畑の広がりは一箇所に集約されていないため、ドライブを前提にした訪問のほうが全体像を把握しやすいというのも覚えておくと良いでしょう。
アイトナはタラゴナ方面とリェイダ市街を結ぶ内陸ルート上に位置し、都市間移動の途中に組み込みやすい立地にあります。北へ進めばリェイダ市街を経由してピレネー方面へ、南へ向かえばエブロ川流域やタラゴナ方面へと接続します。春先の内陸部を走るルートにおいて、アイトナは「季節を確かめるための立ち寄り地」であり、同時に地域の産業に触れられる場所。開花のタイミングに合わせてロードトリップに組み込むことで、カタルーニャの内陸部をより立体的に理解できるはずです。
Location / Address
25182 Aitona (Segrià), Lleida
photo: ©Catalan Tourist Board
