レウス旧市街に残るモダニズム建築の傑作
カタルーニャの都市レウス中心部、メルカダル広場に面して建つカサ・ナバスは、20世紀初頭のモダニズム建築を代表する邸宅です。設計を手がけたのはリュイス・ドメネク・イ・ムンタネー。カタルーニャ音楽堂やサン・パウ病院を手がけた建築家として知られ、当時のモダニズム運動を牽引した人物です。この建物は1901年から1908年にかけて、テキスタイル商人ジョアキム・ナバスの邸宅兼店舗として建設され、今日まで市民や旅行者を魅了し続けています。
外観は石造りのファサードにレリーフやモザイクが施され、細部まで職人技が凝縮されています。光を受けて輝く色彩は街の中心に華やかさを与え、建築そのものが芸術作品のようです。その内部に足を踏み入れると、家具、照明、ステンドグラスまで統一された意匠が広がり、当時のデザイン哲学が空間全体に息づいていることを実感できます。観光客は美しい装飾を見るだけでなく、100年前の生活空間そのものを体験するような感覚を味わうことができるでしょう。
レウスは街全体にモダニズム建築が点在しており、歩きながらさまざまな建築様式を発見できるのが魅力です。カサ・ナバスはその中でも保存状態が良く、ガイドツアーに参加すれば内部をじっくり見学することが可能です。往時のインテリアや装飾をそのまま残す空間を歩けば、建築と生活、芸術と日常が密接に結びついていた時代の空気に触れることができます。
バルセロナからレウスまでは約1時間半。AP-7号線でタラゴナ方面へ進み、内陸へ入るとアクセスできます。レウス中心部には公共駐車場が整備されており、クルマを停めてから旧市街を徒歩で巡るのが便利です。周辺にはガウディ・センターやカサ・ラサといった建築関連スポットのほか、歴史的なマーケットなどもあり、街の歴史に触れる散策を楽しむことができます。
Location / Address
43201 Reus (Baix Camp), Tarragona
photo:©plusroadtrip
