海外でのロードトリップを実現させてくれるレンタカー。日本国内でもレンタカーを利用したことのある方は多いと思いますが、海外でレンタカーを借り、運転を楽しむ場合、日本国内と異なることがいくつかあります。そこで海外での利用を前に、知っておきたい基礎知識をまとめました。
最終更新:2025年9月9日
利用条件と注意事項
まずはレンタカー利用国の最低年齢制限を満たしていること。スペインをはじめとする欧州では通常21歳以上が条件となり、会社や車種によっては25歳以上※に限定される場合があります。また運転免許取得から1年以上経過していることを求められることも多いので注意しましょう。利用にあたっては有効な日本の運転免許証と国際運転免許証(ジュネーブ条約加盟国)もしくは運転免許証の翻訳を所持している必要があります。さらに、運転者本人名義の国際クレジットカード(利用限度額に余裕のあるもの)が必須条件になります。
- 渡航先の最低年齢・若年追加料(国・会社で異なる)
- 有効な日本の運転免許証と国際運転免許証
- 本人名義のクレジットカード(デポジット/オーソリに備え枠を確保)
国際運転免許証(国外運転免許証)
国際運転免許証とは、日本が加盟しているジュネーブ条約に基づき、各都道府県の公安委員会が発行するもので、条約の加盟国がそれぞれの国で発行された国際運転免許証を認め合うものです。海外で運転をする際は国際運転免許証が必要です。
- 海外での運転には国際運転免許証もしくは運転免許証の翻訳の携行が必要です。
- 日本が発給する国際運転免許証は、道路交通法上「国外運転免許証」と規定されています。
- 国際運転免許証は正式な免許証ではありません。必ず日本の運転免許証を携帯してください。
- 国際運転免許証の有効期限は、発行から1年間です。
-
有効国一覧(ジュネーブ条約加盟国)
渡航先が対象かの確認用
国際運転免許証の発行
国際運転免許証は各都道府県の警察署の運転免許課、運転免許センターおよび運転免許試験場で申請できます。警察署で申請する場合は約1〜2週間、運転免許センター/試験場なら即日交付が可能な場合があります(地域により異なります)。
申請に必要なもの
- 国内で有効な運転免許証(従来のカード型免許証もしくはマイナ免許証)
- 写真 1枚(5×4cm)
- パスポート
- 手数料 2,350円(東京都の場合)
- 発行から1年を経過している場合、渡航中に有効期限を迎える場合などで新しい国際運転免許証を発行する際は、古い国外運転免許証の返納が必要です。
- 免許停止処分を受けている方、停止中の方は手続きできません。
-
国外運転免許証(国際運転免許証)の手続(警視庁)
申請方法・必要書類・交付場所・手数料
運転免許証翻訳フォーム
欧州では基本的に日本の運転免許証と国際免許証の両方を携行する必要があります。ただし一部のレンタカー会社では、日本の免許証に加えて「翻訳証明書(Translation of Japanese Driver’s License)」を認める場合もあります。国際免許証の取得が難しい場合には代替手段となりますが、利用できるかどうかは会社によって異なるため、事前に必ず確認しましょう。
レンタカー会社による運転免許証翻訳フォーム
各レンタカー会社のホームページから申し込み用紙をダウンロードし、免許証のコピーとともに郵送すると、数日で翻訳フォームが返送されます。会社によって料金は無料~2000円程度、有効期間は90日となります。
- 一部のレンタカー会社ではオンラインで即日無料発行が可能です。
- オンラインでの申請には日本の運転免許証の写し(免許証表裏の画像データ)が必要になります。
主要レンタカー会社による運転免許証翻訳サービス | 料金 |
---|---|
ハーツ:運転免許証翻訳フォーム(HDLT) | 無料 |
ダラー:運転免許証翻訳フォーム | 無料 |
エイビス:運転免許証英文フォーム | 無料(日本の予約サイトから予約したユーザーが対象)/その他のユーザーは2,000円(税込) |
バジェット:運転免許証翻訳サービス | 無料(日本の予約サイトから予約したユーザーが対象) |
JAFによる運転免許証翻訳文申請サービス
JAF(日本自動車連盟)は、日本の運転免許証を各国で利用できるようにするための公式翻訳文を発行しています。主に行政手続きや一部の国で求められる場合に必要です。現在はオンライン申請のみ対応しており、発行には手数料がかかります。
-
JAFによる運転免許証の翻訳文申請サービス
申請サイト
国際クレジットカード
レンタカーの予約および借受には本人名義の海外で利用可能な国際クレジットカードが必要になります。国際クレジットカードには、VISA、MASTER、JCB、AMERICAN EXPRESS、DINERSなどがあります(会社・国で取扱差があります)。
追加ドライバー
レンタカーは予約者以外の方も運転できます。運転者を追加する場合、追加料金が発生します。追加ドライバーの申請・登録は、予約時もしくは車両受け取り時に現地カウンターで行います。
- 予約者以外も運転可(多くの場合でドライバーの追加登録と追加料金が必要)
- 受け取り時に運転する全員の免許証等を提示し登録を行う
乗り捨て(One Way)
受け取り拠点と返却拠点が異なる場合、乗り捨て料金が発生するのが一般的です。なかでも州またぎの乗り捨ては高くなりやすくなります。またレンタカー会社や拠点によっては州外への移動や乗り捨てができない場合もあるので事前確認が必要です。
予約サイト
海外レンタカーは旅行代理店を通して手配することもできますが、大手レンタカー会社の公式サイトから直接予約することも可能です。英語またはスペイン語での予約ページが中心だが、ハーツやエイビスなどグローバル展開しているレンタカー会社は日本語対応サイトを設けています。
主要空港 | 営業時間 |
---|---|
バルセロナ・エル・プラット国際空港(BCN) | 7:00–24:00 |
主要空港 | 営業時間 |
---|---|
バルセロナ・エル・プラット国際空港(BCN) | 7:00–24:00(SUN:20:00) |
主要空港 | 営業時間 |
---|---|
バルセロナ・エル・プラット国際空港(BCN) | 7:00–24:00 |
カーナビゲーション
海外でのロードトリップにカーナビゲーションは欠かせません。近年、スペインを含む欧州のレンタカーはApple CarPlayやAndroid Autoを搭載している車種が増えてきており、スマートフォンの地図アプリ(Google Mapsなど)を車載モニターに表示することができます。これにより専用ナビを借りる必要はほとんどなくなっています。
plusroadtrip本誌に掲載されたQRコードを読み込みGoogle Mapで目的地を表示、もしくはサイト記事内に掲載しているGoogle Mapで表示する目的地を保存(ピンを保存)しておけば、現地でのルート設定もワンタッチで完了します。スマートフォンを日本語設定にしておけば、現地での音声案内も日本語で行われるため、言語の心配もありません。山間部の移動など電波状況が不安な場合には、Google Mapsのオフライン地図を事前にダウンロードしておくとより安心です。
有料道路
スペインの高速道路(Autopista)はかつて多くが有料でしたが、現在では大部分が無料化されています。ただし一部区間では料金所が設けられており、通行料の支払いが必要になります。料金所では現金やクレジットカードで精算できるほか、ETCシステムにあたる「VIA-T」を利用できる場合もあります。レンタカー会社によっては、VIA-T機器を搭載した車両オプションを提供しており、通過記録に基づき後日まとめて請求される仕組みです。