地域に愛されるマーケットでレウス住民の日常に触れる
ガウディの故郷として知られる町レウス。その中心部に建つレウス中央市場(Mercat Central de Reus)は、地元の暮らしと食文化を垣間見ることができる格好のスポットです。観光名所としての華やかさよりも、日常に根ざした雰囲気が色濃く残り、旅行者にとっては町の素顔に触れられる貴重な場所といえるでしょう。
市場が完成したのは1949年。スペイン内戦後の再建期に建てられたこの建物は、モダニズムの装飾的要素を部分的に残しつつも、戦後の合理主義的な設計思想を反映しています。アーチ状の大屋根から自然光が差し込む空間は明るく、機能美と近代建築らしい開放感にあふれています。歴史的な町並みの中でひときわ存在感を放ちながらも、日常の市場として親しまれてきました。
市場内には青果、鮮魚、精肉、惣菜、ベーカリーなど、およそ150軒の店舗が軒を連ねます。地元産のオリーブオイルやワイン、ハムやチーズといった食材から、日常のパンやスイーツまで幅広く揃い、観光地化されすぎていない素朴な空気が漂います。旅行者にとっては地元住民と同じ目線で市場を歩きながら、色とりどりの食材や香りに触れることで、レウスの暮らしそのものを体感することができるのが魅力です。


散策の合間に立ち寄れば、量り売りの惣菜や焼きたてのパンを気軽に購入してその場で味わうのもおすすめです。市場の中には飲食を楽しむこともできるテーブルや椅子も用意されています。また、周辺にはカフェや小さなバルも多く、買った食材を持ち帰って軽くつまみながらコーヒーを楽しむのもレウスらしい過ごし方といえるでしょう。
レウス中央市場は旧市街の中心にあるためアクセスも容易です。クルマでレウスを訪れる際は、Pàrquing Llibertatの地下駐車場(Plaça de la Llibertat, 1, 43201 Reus)を利用するのが便利で、この駐車場から市場までは徒歩約5分(約350m)の距離です。午前中は地元住人で最も賑わう時間帯なので、活気ある市場の雰囲気を楽しみたいなら朝の訪問がおすすめです。
Location / Address
photo:©plusroadtrip