カヴァの産地を立体的に楽しむ展望ドライブルート
バルセロナから車で約1時間。カヴァの産地として知られるペネデス地方は、ぶどう畑が海から山へとゆるやかに広がり、地形そのものがワイン文化を育んできた土地です。そんなペネデスの魅力を立体的に理解できるのが、10か所の展望所を巡る「ミラヴィニャ・ビューポイント・ルート（Miravinya Ruta dels Miradors）」です。地域の観光プロジェクト「Penedès 360」が運営し、風景を通してテロワールや歴史を読み解けるユニークなドライブルートになっています。
ルートは環状型でどこからでも出発できますが、一般的なのはバルコ・デル・ペネデスを起点に巡るコースです。ヴィラフランカ郊外のサン・パウでは、町並みとぶどう畑が折り重なる風景が広がり、農業と交易によって発展してきた地域の背景を感じ取ることができます。ラ・カディラでは、畑の中に設置された巨大な椅子がランドマークとなり、視点が変わることで景色の印象が大きく変化することに気付かせてくれます。
さらにエル・サーセルでは、山々を背景にペネデス盆地を見渡すことができ、海風が育んだ丘陵地形とワインづくりの関係がより立体的に見えてきます。展望所にはそれぞれ案内板が設けられ、地質・気候・ぶどう品種・村の歴史が簡潔に解説されています。車で走るだけでは捉えづらい土地の成り立ちを、風景そのものを通して理解できる点がこのルートの大きな魅力です。
周辺には、カヴァを代表するワイナリーも点在しています。ヴィラルナウ（Vilarnau）、コドルニウ（Codorníu）、フレイシネ（Freixenet）では、ガイドツアーを通じて伝統製法やテロワールについて深く学ぶことができます。展望所めぐりとあわせて訪れれば、見渡した景色とワインの味わいが自然につながり、土地の魅力がより鮮明に立ち上がってきます。
距離こそ短いものの、景色の変化が豊かで、ワイナリーや周辺観光地との組み合わせも自在なミラヴィニャ・ビューポイント・ルートは、ペネデスを深く知る最良のドライブコースです。海と山に育まれたカタルーニャのワイン文化に触れながら、土地の奥行きを味わう時間になるでしょう。
Location / Address
08736 Font-rubí (Alt Penedès), Barcelona
photo: ©plusroadtrip ©Catalunya
