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Barça Immersive Tour & Museum(バルサ・イマーシブ・ツアー&ミュージアム)
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Barcelona, Section 5 (Figueres – Barcelona)

Barça Immersive Tour & Museum(バルサ・イマーシブ・ツアー&ミュージアム)

バルサの理念と歴史を五感で体感する没入型ミュージアム

世界的な名門クラブ、FCバルセロナ。その本拠地である「カンプ・ノウ」は1957年の完成以来、数々の名勝負と栄光の歴史を刻んできました。現在はクラブ史上最大規模の改修工事が進行中で、2026年の完成を目指して再生の真っただ中にあります。完成後は収容人数10万5千人という欧州最大級のスタジアムに生まれ変わり、VIPラウンジやレストラン、クラブオフィスや商業施設を備えた“次世代型スタジアム”としての役割を担うことになります。観客席上部には街を一望できる「展望キューブ」も設置され、バルセロナの新名所として期待を集めています。

再開発はスタジアム本体だけにとどまりません。隣接地にはバスケットボールアリーナや多目的ホール、クラブのオフィス、新しいワークスペースなども整備され、地域社会に開かれた複合施設としての機能を持つ予定です。持続可能性を意識した太陽光発電設備や雨水再利用システム、5Gインフラの導入も計画されており、単なるスポーツ施設を超えた都市の再生プロジェクトとして注目されています。

こうした大規模工事の間、ファンに向けて公開されているのが「バルサ・イマーシブ・ツアー&ミュージアム」です。2023年にオープンしたこの施設は、かつてアイススケートリンクだったスペースを活用した仮設ミュージアムで、現在は125周年を記念する特別展示が行われています。歴代のトロフィーや初期のユニフォーム、マラドーナやルイス・スアレス、ヨハン・クライフといった往年のスターの品々が並び、クラブの歩みを一望できます。展示の随所にタッチスクリーンやインタラクティブな装置が設けられており、訪れた人が自由に触れて体験できるのも特徴です。Spotifyとの提携によって、選手のテーマソングを聴いたりダウンロードできたりする仕掛けも人気を集めています。

また、館内の特設エリアでは「Barça Virtual Dream」と呼ばれるVR体験が用意され、選手目線でプレーを体感することができます。さらに、スタジアム内部に設けられた「Spotify Camp Nou Live」スペースでは、改修後の未来のスタンドを360°映像で楽しむこともでき、ファンにとっては“完成前のカンプ・ノウ”を先取りする特別な体験となっています。

また、バルサの未来を語る上で欠かせないのが育成組織「ラ・マシア」です。郊外に整備された最新施設には130人以上の少年少女が暮らし、午前は学校、午後はトレーニングという生活を送っています。サッカー選手になれなかった場合でもコーチやスポーツ関連の職に就けるよう教育にも力を入れており、「Més que un club=クラブ以上の存在」という理念を体現しています。さらにバルサはUNICEFとの協働をはじめ、世界各地で子どもを支援する活動を展開し、地域社会や国際社会への貢献を続けています。スポーツクラブを超えた存在感こそが、このクラブが世界中から支持される理由といえるでしょう。

現在しか見られない仮設ミュージアムと、未来へ向けて進化する巨大プロジェクト。その両方を体感できる今は、まさにFCバルセロナを訪れる特別なタイミングです。サッカーファンはもちろん、建築や都市開発に関心を持つ人にとっても、一見の価値がある体験となるでしょう。

Location / Address

Barça Immersive Tour & Museum
Accés Principal núm. 15, Carrer d’Arístides Maillol, s/n 08028 Barcelona (Barcelonès)
Official Web Site: FC Barcelona

photo:©plusroadtrip @FC Barcelona